今回のNHKスペシャルは「血圧サージ」です。
血圧サージとは血圧が異常な上昇・下降を繰り返すことをいいます。
サージとは英語で「高波」のことで、つまり「血圧の高波」。
from: thinglink.com
打ち寄せる高波のような激しい血圧の上がり下がりによって、様々な病気のリスクが高まるというのです。
詳しい内容を番組の流れに沿って紹介していきましょう。
血圧サージによってもたされるリスクとは?
番組では冒頭に一般男性の方の体験談でそのリスクの恐ろしさを説明していました。
39歳になるその方は、それまで健康診断などでも血圧・血糖の数値になんの問題もなかったのですが、ある日突然足がもつれて動かなくなり、病院にかつぎこまれて「脳卒中」の診断を受けました。
治療後も数日間眠り続けたそうですが、幸い意識を取り戻し、今では元気にお子さんと遊んだりできる日々を取り戻しています。
ではなぜ脳卒中が突然襲ってきたのでしょうか?
血圧サージ、すなわち血圧の異常な上昇が一日のあるタイミングにだけ発生するので、通常は昼前後に行われる健康診断では計測できないことが多いからだといいます。
一日のタイミングで最も多いのが、朝方。
通常でも血圧は一日の中でゆるやかに上下していますが、なんらかの原因で血圧をコントロールする交感神経のバランスが崩れてしまうと、朝方に血圧が異常に高まったり、体を休めるために、本来なら血圧が下がるべき夜に下がらなかったりする状況が起きてしまうのです。
こうしたことが原因で、先ほどの一般男性の方も血圧が一気に上昇し、それによって脳卒中を引き起こしてしまったものだと考えられています。
しかし血圧の異常な上昇が一回起こっただけでは、すぐに病気になるわけではありません。
何度も繰り返されることで、血管の収縮が頻繁に行われることになり、その結果、血管壁が厚くなって弾力性が失われていくのです。
from: healthyfoodhouse.com
そうして血管そのものがもろくなってしまい、血圧サージに耐えられなくなり、血管が破裂してしまう・・・そうした流れが「脳卒中」や「心筋梗塞」のリスクを高めてしまうのですね。
さらに脳の中にある微小な血管が血圧サージによって損傷してしまうと、認知症につながってしまうという説もあるので、いずれにせよ血圧サージには十分に気を付けなければなりません。
どうすれば血圧サージを見極められるのか?
血圧サージは、一回では病気のリスクが高まるわけではありません。
何度も起こることで、そのリスクが大きくなるということなんですね。
ですから、普段から自分の血圧の状態を定期的にチェックする必要があるといえます。
特に交感神経が活性化し、血圧サージが起きやすいとされる朝方に計測すると、その状態がよりはっきりと分かるといいます。
以下に番組公式ホームページに記載された計測法をまとめてみました。
<<血圧サージの計測法>>
・目覚めた後にトイレを済ませる
・起床後の1時間以内に血圧を2回計測し、平均値を記録する。
・5日間、朝に血圧を測り、最も高い値と低い値の差が20mmHg以上あるようなら注意。
・最高(収縮期血圧)が135mmHg以上、最低(拡張期血圧)が85mmHg以上が出るようなら、血圧サージの可能性あり。
・高血圧の人は「血圧サージ」の影響がでやすいので注意。
こうした血圧の計測法による診断のほか、血圧サージを引き起こす原因の一つである「交感神経が過敏になることで血圧の変動が激しくなる」を防ぐためにも、以下のような行動をできるだけ控えるというのも、一つの方法であるかもしれません。
・肥満
・塩分
・飲酒
・喫煙
・ストレス
ほかにも「加齢」というのが挙げられていましたが、これは避けようがありませんので、年齢を召した方で以上のような条件がないのに、血圧サージのリスクがあるという方は、次に紹介された「血圧サージの対策法」を試されるのも良いかと思います。(もちろん一般の方にもおススメです)
血圧サージの対策法を紹介
血圧サージの対策法は2つ。
一つは測る。
これはつまり血圧の状態を定期的に計測する習慣をつけましょう、ということです。
血圧サージは一日のうちのあるタイミングで「血圧が異常な上昇をみせる状態」のこと。
ほとんどは朝方に多いようですが、そういった自分の血圧の上下を計測して記録を取ることで、自分の血圧がどのような状況のときに「上がり・下がり」を見せるかなどを、自覚することができます。
測ることで意識する。
意識するから「血圧を上げるような行動」を避けるようになる。
こうした生活習慣を身につけることで、自然と血圧のコントロールを行えるようになり、血圧サージを避けることもできるということなんですね。
そして2つめが、握る。
血圧の改善法の一つとして、ハンドグリップ法というのが注目されています。
全力の30%の力で「握る」ことにより血圧を改善する方法です。
これは何かを握ることで、腕の血圧が脳に働きかけて交感神経のバランスを整えるという効果があるそうです。
番組ではアメリカの専門施設で使われている「ハンドグリップ法」の詳しい様子を紹介しており、ちょうどスポーツジムのような場所で、年配の方が専門員の指示に従ってハンドグリップの器具を握っている様子を映していました。
ハンドグリップは握力を鍛える器具のようでしたが、このタイプの健康医療器具はアメリカやカナダでは販売されているものの、日本ではまだ未発売とのこと。
自分も興味があったので、少し残念でしたが、幸いその後にそれに代用できる方法が紹介されていたのでホッとしました。
それは「折りたたんだタオルを握ること」。
フェイスタオルなどを折りたたんで、それを適切な握り方で握ることで、ちょうど全力の30%の力が出るというのです。
以下にその詳しい内容をまとめてみました。(番組公式ホームページを参照)
<<タオルグリップ法>>
①縦30cm、横80cmの一般的なフェイスタオルを使用する
②横に2回、縦に1回折る
③丸めて握る(親指と他の指がくっつかないように握ってください)
④そのまま2分間握り続ける(呼吸を忘れずに、力まないように)
⑤これを左右2回ずつ行い、合計で4回行う
以上が1日に行う「タオルグリップ法」になります。
これを1日おきに4週間行うとよいようです。
実際に高血圧の患者さんの指導に活用している方法とのことで、血圧の改善には良い効果が得られそうですね。
*上の写真は自分で作ったハンドグリップタオルを撮影したものです。番組の公式ホームページに使われているような綺麗なタオルと可愛い女性のモデル写真ではなく、大変お見苦しくて申し訳ないです^^;
まとめ
今回の「血圧サージ」スペシャルではお笑いタレントの小島よしおさんが出演されていて、そのたくましい肉体美を惜しむことなく披露されていました(イベント会場の紹介部分だけですが^^)
若く健康的な小島さんだから血圧サージなんて「関係ねえ!」となりそうなものですが、意外や意外、番組から借りた計測器で早朝に測ってみたところ、165の血圧を記録!
さすがにご本人も会場の皆さんも驚かれていましたが、お医者さん曰く「一回だけなら問題ない」ということで、ホッと安堵のひととき^^
このように一見、健康体に見える人でも、計測する時間やタイミングによって異常な上昇値を見せることもあるので、血圧サージは見過ごすことができません。
実際に血圧サージの要因となる生活習慣を挙げて、小島さんは結構な数の習慣が当てはまっていたようなので、そのあたりも年齢と関係なく、血圧を上げる原因となりそうですね。
番組では冒頭で血圧サージの危険度チェックを行っていて、自分も測ってみたところ「危険度3」ということで、可能性は低いと知り、私も小島さんと同じくホッとしました。
このチェックは番組の公式ホームページでも行えるので、興味のある方はチェックしてみてください。(→“血圧サージ”が危ない|NHKスペシャル)
このように年齢に関係なくリスクを生じる可能性のある「血圧サージ」。
少し前に同じNHKのガッテンで特集が組まれていて、このブログでもレビュー記事を書きましたが(⇒【NHKガッテン】血圧が急上昇する「血圧サージ」の予防法を3つ公開!)、これだけ定期的に取り上げられるということは、それだけそのリスクを持つ人が増えていると証拠なんでしょうね。(日本全国で900万人いるそうです)
その予防法とチェック法、いずれも今回の放送で知ることができ、しかも比較的簡単に行える方法であるということで、これはかなり使えると思いました。
加えて、日々の血圧の計測が大切なんだなということも、改めて再認識した思いです。
血圧の計測なんか、高齢の老人しかしないものだと思っていましたからね・・・
ということで、これから家庭用の血圧計をチェックしてみます。
一家に一台、血圧計。
まだお持ちでない皆さんも、ぜひ導入をご検討あれ^^