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【NHKスペシャル】脳は記憶とひらめきの源!その仕組みと正体とは?

投稿日:2018年2月5日 更新日:

今回のNHKスペシャル人体は「脳による”ひらめき”と”記憶”の正体」です。

【NHKスペシャル】 “脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体

これまで番組では脳以外の内蔵器を中心に、それらの優れた機能を取り上げてきました。

腸は健康の源!免疫細胞と腸内細菌で体を守る! 

骨が発するメッセージ物質は若返りの源だった! 

脂肪と筋肉からのメッセージが病気や命を救う!

その働きと機能は、脳に負けず劣らずで、場合によっては脳を上回る能力を持った部位も出てきたりと、人体の不思議と凄さをまざまざと教えてくれてきました。

そんな中でどちらかというと「脳」はそれら他の臓器や細胞に活躍の場を奪われたような印象を受けましたが(ゲストの皆さんもそうおっしゃっていました)、なんのなんの!

やはり脳は人体の中でも最上位に位置する素晴らしい仕事師だったことが、今回の放送で明らかになったのですよ。

ということで、その脳の素晴らしさを再発見すべく、番組の流れに沿ってレビューしていきたいと思います。

脳が”もの”を認識するときの仕組みとは?

番組では冒頭にお笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんの脳を赤裸々に分析していました。

又吉さんは小説家として素晴らしい作品を生み出していますが(代表作「火花」)、そんな氏の脳は恐らく普通の人とは異なる働きをしているはず!という想定の下に、MRで脳の詳細を撮影してもらいました。

するとそこで分かったのは、ある部分の細胞が通常の人間よりも3割増し多かったということです。

そこは「緑上回」という脳の部位で、言語機能を司る場所だと言われています。

この部位が発達していることが、又吉さんの小説家としての業績につながったということになるのですね。

このように脳は特定の部野を発達させることで、そこにつながる能力の向上に寄与しているということがいえると思います。

こうした脳には無数の神経細胞が張り巡らされていて、その数はおよそ1000億といわれています。

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from:extremetech.com

脳の主な働きは「視覚」による「もの」の認識と、それに付随する感情や思考につながりであり、その視覚認識を行ったときの脳には電気信号が走り、大まかな映像が認識されます。

その後、別の部位でより詳細な認識が可能になり、さらにそこから感情を司る前頭前野で「認識」した「もの」への思考や感情が生まれるのです。

こうした視覚による認識では、神経細胞から神経細胞に電気信号が走ることで各部位が機能していくのですが、細胞と細胞の間には隙間があり、そこでメッセージ物質のやり取りがされていいます。

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from:sciencenewsforstudents.org

メッセージ物質といえば、番組では何度も取り上げられてきた、人体における「意思疎通」を司る体内物質。

先ほどの神経細胞と細胞の間の隙間でメッセージ物質が走り、これによって「電気信号を発するように」指令を出すのです。

そしてその強弱を使い分けることで、電気信号にも同様のバリエーションを与え、「もの」の認識に個別の意味をつけていくようになります。

例えて言うなら、素敵な異性を見た時に「ビビッ」と感情に強く訴えかけるのは、その働きにあたるようですね^^

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「ひらめき」を生み出す方法とは?

脳はメッセージ物質を使い分けることで電気信号の強弱を作り、視覚認識に個別認証を与えていくことになりますが、他の臓器からもメッセージ物質を受けとります。

例えば脂肪から送られる「レプチン」という物質で食欲をコントロールすることもそれにあたります。

そうしたメッセージ物質は数十から数百種類あるとされ、それによって脳は独自のネットワークシステムを構築しているのです。

こうした脳の仕組みは複雑であるがゆえに「柔軟」さを保証します。

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たとえば「ひらめいた時の脳」は太い電気信号が脳全体を貫いていますが、「集中している時の脳」は細切れの電気信号になっている、といった具合にそれぞれのシチュエーションよって変化をもたらします。

話を又吉さんに戻しますと、小説のプロットを思いつく際に必要な要素「ひらめき」はどうやって生むのかというと、主に散歩やお風呂に入っているときが多いということ。

いわゆる「ボーッ」としている状態のときに「ひらめき」が生じやすいということで、この脳の状態を「デフォルトモードネットワーク」と呼ぶようです。

脳に走る電気信号の形を見ると、このデフォルトモードネットワークのときに「ひらめき」が起こりやすいということで、司会の山中教授もあのips細胞のアイデアをお風呂に入っているときに思いついたとか!

このモードのときの脳は「何もしていない状態」ではなく、大脳皮質に散らばった記憶の断片を集めて結び付ける作業を遂行中である、と考えられているようです。

要はここでのポイントは、ひらめきを生むためには「ボーッ」とすることが大切ということ。

散歩をしたり、お風呂に入ったり、瞑想をしたりと、それぞれにあった「無心」状態を作り出すことで、偉大なる発明を生み出す可能性が誰にでもあるということなのです。

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しかし!!

あくまでデフォルトモードネットワーク(ぼーっとしている状態の脳)は「記憶の断片を結び付ける工程」であり、決して「無から有を生む」神がかり的なものではないということは忘れてはなりません。

つまり「ひらめき」を生むための材料である「記憶」そのものは、普段からコツコツと集めてなくてはならないのです。

記憶力を高める器官と、その方法とは?

ではその「ひらめきを生むために重要な要素である記憶」をどうやって集めていけば良いのでしょう?

番組ではここでイギリスのサッカースタジアムを映し出していました。

スポーツ観戦を終えて会場を後にする観客を見つめる、鋭い視線をした男たち。

彼らは「スーパーリレコグナイザー」と呼ばれ、卓越した記憶力で瞬時に人の顔を覚え、また無数の顔や特徴を記憶する特殊能力を持つといわれています。

彼らはその高い記憶能力を買われて、警察に犯罪者の特定を依頼されて捜査に協力しているところだったのです。

任務は犯人の顔を記憶し、顔の特徴を無数の人間の顔に照らし合わせながら、犯人を特定すること。

スーパーレコグナイザーの犯人特定の精度は非常に高く、AIをはるかに上回るといいます。

こうした記憶力の源はどこにあるのか?

それは歯状回という器官にありました。

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from:NeuroNewsNight

私たちの記憶は、脳の奥深くにある「海馬」という器官で生み出され、やがてそれが脳の表面に広がる「大脳皮質」に移され、生涯にわたって蓄えられていくと考えられています。 記憶を生み出す肝心要の「海馬」で、近年、脳科学の常識を覆す大発見がありました。脳の中でごくごく例外的に、神経細胞が新しく生まれ続けていることが分かったのです。それは「海馬」の入り口にある「歯状回」と呼ばれる場所で起きていました。ここで神経細胞が新たに生まれ続けていることで、私たちは新しい記憶を次々と作り出していけるのではないかと考えられるようになってきています。

NHKスペシャル「人体」”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体|NHK健康ch

「歯状回」とは、上記の番組HPの記載にあるように、電気信号の通り道のような存在。

物を目で捉えると、その情報が電気信号となって海馬に辿りつき、さらにそこから奥にある「歯状回」に行き着きます。そしてここから別の神経細胞につなげる役割をもっているのです。

こうした歯状回の働きは、自身に到達した電気信号をさらに様々な部位に振り分け、それらが大脳各地へ集積されて蓄積されていくことにあり、その結果「記憶」が定着するのです。

その記憶そのものを生み出すために必要なのが、歯状回に次々に生まれる新しい神経細胞で、生まれたての神経細胞は敏感なため、すぐに電気信号に反応します。この過程のおかげで「記憶が生まれ、定着する」という流れになるのです。

つまり記憶力アップの要は「新しい神経細胞」ということ。

この新しい細胞を生み出すための大きなポイントが「膵臓」「インスリン」です。

膵臓からは、食べ物を取った時に「インスリン」という物質が出されます。

このインスリンが脳にメッセージ物質として届くと、神経細胞の成長を促し、新たな細胞を生み出します。

その結果、記憶力がアップし、さらには「ひらめき」を生む原動力となるのです。

認知症にも効果が期待されるインスリン

歯状回の神経細胞を生み出すために必要なインスリンですが、近年になって認知症治療に大きな働きをするということが研究によって明らかにされつつあります。

インスリンそのものではなく、インスリンが持つ特性を利用したものです。

認知症の中でも最大の症状であるアルツハイマー病は、アミロイドβという物質が増えることで、脳機能を低下させ脳細胞を委縮させることで起きると言われています。

⇒【認知症】野草成分にアルツハイマー病の改善効果があると研究チームが発表 

アルツアハイマー病の原因であるアミロイドβを分解することで、脳の働きを回復させて認知症を遅らせる、または予防する方法が進められていますが、肝心の薬剤が脳に到達しないという問題があるために、これまでなかなか治療が進みませんでした。

その理由は、薬剤が脳の血管の壁を突破することができず、そのために脳の内部に到達することができないことにありました。

これは脳が体の様々な部位から送られてくるメッセージ物質を取捨選択する性向によるもので、脳内には限られた物質しか取り込まれることできないのです。

その限られた物質の一つが「インスリン」であり、このインスリンを研究することで、薬剤の脳への浸透を可能にしようという試みがなされています。

ブラジルでは、アルツハイマー病に似た「ハーマー病」の患者で臨床試験を行い、インスリンが脳の血管の壁を通過する際に放出されるカプセルを人工的に作り出し、そこに薬剤を包み込むことで、患者の脳内に投与することに成功しました。

すでに臨床試験の結果は上々で、患者の状態は以前に比べて向上しているということ。

成果は上がりつつあるのです。

まとめ

今回の脳に関する内容はかなり密度が濃く、出演者の発言や番組で取り上げられたデータや取材内容の全てが重要なため、すべてをまとめるのにかなり時間がかかってしまいました。

それだけ脳というのは全ての臓器の中でも最上位に位置する存在であり、その実力は他を圧倒して常にコントローラー(管理監督者)の立場にいるといっても差し支えないと思います。

こうした脳の働きの中でも、「ひらめき」を生むためには「ボーッとすることが大事」なことや、ひらめきを生みために必要な記憶の源である神経細胞、そしてそれを促すメッセージ物質、さらにはそのメッセージ物質を生み出す「食べること」「筋肉を使うこと」が、すべて一つにつながってリンクしているというところに、人体の不思議をまざまざと感じてしまいました。

よく食べ、よく動く。

そして時々、瞑想をして頭をクリアにすること。

マインドフルネスという言葉が一時期流行りましたが、あれも単に心の整理というだけでなく、脳内の情報整理という意味があったのですね。

【NHKガッテン】瞑想法でストレス解消!

私も両親がまだ健在ですが、いつの日か終焉を迎える時が必ずやってきます。

幸いまだ認知症にはかかっていませんが、同症状にかかってしまった親を持つ友人知人の話を聞くと、「これは本当に大変だな・・」と言葉を失ってしまいます。

近い将来、今回の番組で紹介された治療法が実用化の段階に来た時、人類は新たな文明のステージに上がるときがくるのではないか?そう思えて仕方がありません。

一日も早い治療法の確立を心から願っています。

次回で最終回です

⇒【NHKスペシャル 人体 最終回】メッセージ物質「エクソソーム」が長寿のカギを握っていた!

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