祖母の命を救ったバリアフリー手すり体験談と浴室リフォームに必要な3つの基本ポイント

投稿日:2019年8月26日 更新日:

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自宅内のバリアフリー体験談として前回は「トイレ」にまつわるあれこれを語らせてもらいました。

⇒祖母との生活で感じたバリアフリー設備・介護リフォームの大切さと体験談【トイレ編】

他所から移り住んできたときにはすでに部屋のいくつかにバリアフリー設備が施されていたので、一緒に住んでいた祖母の体が弱くなってきた時にそれらに随分と助けられたというお話を、実際の設備写真とともに述べたと思います。

今回はその浴室バージョンになります。

実はこの浴室で祖母が危うく死にかけました。

詳しくは後に述べますが、実はこのときにギリギリ助かったのは、浴室内に施されたあるバリアフリー設備だったということ。

もしこの設備がなければ、かなりの確率で祖母は亡くなっていた可能性が高いです。

最初は何の役に立つのかな?と疑問に思っていたのですが、実際にその現場を目にして納得の出来事でした。

ではまずは我が家で起こったバリアフリー体験と、続けて「浴室バリアフリー設備」についての「自分的まとめ」をご覧ください。

祖母の命を救ったバリアフリー器具

それは10数年前の冬のこと・・・

私が夜遅くに帰宅すると、玄関からすぐに浴室の電気が点いていました。

「あれ?こんな時間なのにまだ風呂に入ってるの?」

と思いながら、リビングに向かいましたが、すでに夜中の1時を過ぎていたので、部屋中の電気が消えて家族は寝室ですでに就寝していました。

「おかしいな・・」

首をかしげながら、自室に戻って着替えをすまし、歯を磨こうと洗面所に入ると、目の前にある浴室の電気はまだついたままです。

私が帰宅して着替えをすましたり、冷蔵庫から取り出したお茶を飲んで一息ついていたりする時間を考えると、すでに15分ほど経過していました。

その間に誰か家族が浴室に入った気配はありません。

「ははーん、電気を消すの忘れてるな」

そう思い、浴室の電気を消そうと、扉の前に立った時でした。

(誰かいる)

明かりのついた室内の奥に黒っぽい人影が見えました。

確実に誰かが入っています。

私はコンコンとアクリル樹脂製のガラス戸を軽くノックしながら「入ってる?」と声をかけましたが、反応はありません。

(ん~?)

と思いながら「開けるよー」と言って扉をスライドさせると、なんとそこには浴槽に浸かったままの祖母がいたのでした。

祖母は湯船に浸かったまま、右手で浴槽のサイド上側にある手すりを掴んだままぐったりとして、うつろな目で前を向いていました。

「おばあちゃん、何やってるの!」

私は慌てて祖母のほうに駆け寄ると、急いで祖母の体を抱き起そうとしますが、想像以上に重い体はなかなか持ち上がりません。

祖母の顔は真っ赤になってのぼせていて、完全に「のぼせ上っている」状態でした。

狭い浴槽のせいもあって重心が上手く掴めないのか、どう持ち上げようとしても上がらない祖母の体に業を煮やしながら、「あれだ!」と思いついて、浴槽の栓を抜いてお湯を出すことにしました。

そうしておいて水道栓をひねって手ですくって、祖母の頬を軽く叩きながら口に含ませ、顔にも水をかけて声をかけ続けます。

そうしているうちに浴槽内のお湯は徐々に抜けていき、ようやく足元にまで水位が下がった時に、私は再び祖母の体を持ち上げることに成功し、そのまま浴槽の外に出して椅子に座らせたのでした。

しぼった濡れタオルで体を拭き「大丈夫?」と声をかけると、ようやく祖母は意識がはっきりしたのか「助かったわ・・」というと弱々しい声を返してきました。

「よかった」

最悪の事態を想像していただけに、私はかなりホッとし、そのまま濡れタオルを再度搾り直して体を乾き拭きしていると、浴室での騒ぎを聞きつけたのか、家族が起きてきて「何があった?」と見に来てくれたのです。

その後はキッチンからミネラルウォーターをもってきたり、全裸だった祖母の体をバスタオルで拭いてパジャマを着させたりと、そのまま家族が手分けして祖母を寝室まで連れて行ったのでした。

私は前日の疲れがあったのと、次の日も早かったので、その日はそのまま部屋に戻って寝ましたが、翌日に帰宅すると再び詳しい話を聞くことができました。

それは以下のような内容になります。

・その日は入らないつもりだったが、夜にふとおしっこを漏らしていることに気づき、洗面所に下着をもっていくついでに体を洗うことにした

・体を洗って浴槽に浸かっていたが、立ち上がろうとしても、足が立たない

・声を上げて助けを呼ぶが、誰も気づかなかった(夜の12時を過ぎていたこと、寝室のあるリビング方面は扉を挟んで浴室から少し距離があるため、声量の小さくなった祖母の声では届かない)

・このまま死んでしまっては家族に迷惑をかけると思い、必死で体を起こして、片手で手すりを掴んで上体を引っ張り上げようとした

・そのうちにのぼせてきて、意識がもうろうとしてきた

・半ば意識を失いかけた時に、孫の助けが入って事なきを経る

という流れになります。

ポイントは「足が立たなくなる」ということ。

少し太り気味だったこともありましたし、若いころの無理がたたってか、膝が悪くなっていたのも関係していたと思います。

さらにお湯に浸かった状態ですから、水の重みも加わっていたでしょう。

このとき幸いだったのが、祖母が掴んでいた「手すり」

この横向きの手すりがあったおかげで、お湯の中に体全体が沈んでいって「水死」してしまうことを防いでくれましたし、水位を肩の付近で抑えることで、高温による「のぼせ」の速度を遅らせてくれたと思います。

手すりをしっかり掴めるだけの握力があったのも大きいですね。

足腰は弱くなっていましたが、その分、杖をついたりして腕の力は普段から使っていたので、筋力の維持ができていたのかもしれません。

やはり全くの無力では、たとえ器具があってもサポートしきれないということになるのでしょうか。

その夜は祖母はさすがにショック状態が少し続いたようですが、少しずつ落ち着きを戻していって就寝し、翌日も普通に起きることができて、朝食も摂れたようです。

一応、念のために病院に行ったそうですが、特に問題はなく、事情を説明すると「軽いのぼせ」の症状程度だったということで、家族一同、ホッとしたとのことでした。

それからは、さすがに一人で風呂に入れるのは危ないということになり、入浴の際には誰か家族が近くにいてサポートするようにし、湯の水位も祖母が入るときは腰くらいの位置にまで下げるようになりました。

その後も祖母は浴室で入浴する際は、亡くなる前まで「手すり」を利用し続けたということです。

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浴室のバリアフリー化・リフォームに必要な基本ポイント

次は「浴室のバリアフリー化」についての基本まとめです。

大きく分けて3つのジャンル「移動」「洗面台・シャワーまわり」「浴槽への出入り」となります。

これらの3つを基本として、高齢者が浴室を利用する際に必要なポイントを上げていきましょう。

移動

脱衣室から浴室に移動する際に気になるのが「段差」です。

足腰の弱くなった高齢者は想像以上に膝や足が上がりにくくなっています。

若い人や中高年者には気にならない段差であっても、高齢者にとっては踏み越えるのが困難な場合があります。

特に浴室は床の材質によっては滑りやすくなっているので、転倒の危険があります。

バリアフリー工事で浴室の構造を変えてしまうリフォームのほかにも、段差解消建具などの対策グッズでその都度、床面をフラットにしていく方法、専用のフローリング材を組み合わせて段差を解消するなど、様々なアイデアが考えられます。

残念ながら我が家の浴室はフラットではないため、高齢の祖母にとっては移動が困難でした。

ただその分、入り口や浴室内に手すりがついていたので、それを掴みながら態勢を維持することができたのが幸いです。

ですので「手すりの設置」も必要な施策の一つになると思いますね。

そして浴室内に入った時に高齢者が滑って転倒しないよう「滑り防止床材」を敷くこともおススメしたいです。

これもリフォームによって床材そのものを変えてしまう手もありますが、金銭面で余裕がない場合は、もっと簡単な方法もあります。

知人の御父上の足腰が相当に弱くなって、自宅介護をしたときも、浴室内での転倒を防ぐために、介護関係者のアドバイスを聞いて「すのこ」を床に敷いていたとか。

床の素材によっては傷がついてしまうかもしれませんし、カビが生えるためにその都度、掃除すつ必要がありますが、転倒の危険性を考えれば、検討しても良い方法の一つだと思います。(実際にその方のお父様は転倒せずに入浴できたそうです)

洗面器具・シャワーまわり

顔や体を洗う時に必要になるのが「椅子」です。

立ったまま髪を洗ったり、体を洗うのは足腰が弱くなった高齢者には難しいため、椅子は浴室内の椅子は必需品になりますが、加えて「しゃがむ」という動作も困難を伴います。

そのため「手すり」があったり、浴槽に手をかけたりしながら、椅子に腰をかけるという態勢になることが多いでしょう。

可能であれば、脚の底に滑り防止のゴムが装着され、背もたれもある「シャワーチェア」の利用がおすすめです。

これも姿勢に負担がかかりにくい、洗面台の高さに合わせたサイズのものが望ましいところ。

背もたれは姿勢を安定させるほか、背中からの転倒を防止する役割もあります。

脚底部分の滑り止めで、座った状態からの転倒を防ぐ働きも期待できます。

次にシャワーの位置です。

通常は浴室内のかなり高い箇所にトップ部分が掛けられていることが多いと思います。

しかしそれでは高齢者には手が届かなかったり、体を伸ばした拍子に足を滑らせて転倒してしまう危険があるので、掛ける部分を目線の高さに合わせた位置にもう一つ設置しておくと良いと思います。(とはいえ、ほとんどの浴室ではそのような設置になっていると思います)

浴槽への出入り

多くの一般家庭の浴室は、通常は浴室内の床の上に浴槽を乗せるタイプだと思います。

そうなると、どうしても床からの高さができてしまい、浴槽に入る際には足を上げてまたいで入らないといけません。

私も腰を痛めていた時は、この入り方は結構苦痛でした。

同様に高齢者にもそれ以上のしんどさが、浴槽に入るときに感じられるかと思います。

浴槽への出入りサポートとしては「手すり」「移乗台」の2種類があります。

私の家では幸いにも手すりがあったので、祖母がそれを何とか自力で入ることができていました。

加えて「移乗台」があれば、より安全に入ることが可能になります。

これだと椅子に腰を掛けながら浴槽内に移動して足から入ることができるので、転倒の心配なくお湯につかることができますね。

ただ注意しなければいけないのは、台を利用するだけだと、そこに体重をかけすぎて逆に転倒してしまう恐れがあるので、やはり「手すり」の設置は必要であること、それをしっかり握りながら、台の上で移動することが安全に浴槽に入ることができる一つだと思います。


 

自力歩行が可能な高齢者に限定してまとめてみました(車いすの利用者の場合は、より専門的な知識が必要なため)

もちろんこれだけでは不十分で、浴槽サイズや室内照明、緊急ブザーの設置、室内温度を調節するための暖房器具など、まだまだ他にも注意するべき部分はたくさんあると思います。

まずは抑えておきたい部分だけを自分の経験に照らし合わせながら、専門情報からピックアップして紹介させてもらった内容になります。

抜けている部分や足りない部分も多いかと思いますが、どうかご容赦くださいね。

まとめ

祖母を助けたバリアフリーてすりについての体験談と、それに続く浴室バリアフリー化の基本まとめを紹介させてもらいました。

体験談に関しては、直接的に助けたのはたまたま私でしたが、もしこのときに誰もいなければ、おそらく祖母はあのまま力尽きて手すりから手を放してしまい、意識を失って浴槽で水死いていた可能性が非常に高いです。

正直、最初の浴室内の手すりを見ても「こんなの役立つの?逆に邪魔でしょう?」と思っていたのが、まさかその数年後にリアルに人の命を救うツールになるとは全く想像もできませんでした。

しかも大切な祖母の命を救ってくれたのですから(幼いころから可愛がってくれたので)、手すりには本当に感謝の念しかありません。

形や位置はもちろんですが、あの重かった祖母の体重を支え続けられた強度にも注目ですね。

見た目だけバリアフリー機能があっても、やはり実際に使ってみないと実力は分かりませんから、その意味では我が家のバリアフリー設備はしっかりした工務店が担当してくれたのだな、と安心ができますから^^

後半部の浴室バリアフリーについては、住居環境によっては器具を揃えるものだけで済むこともありますし、リフォーム工事を施さなければいけない場合もあると思います。

その場合は安心して任せられる施工会社を選びたいもの。

我が家も次回に施工することがあれば、自力で探すことになるので(両親が近い将来、80代の高齢になるため)、以下のような比較サイトで検討していこうと思っています。

⇒リノベーション会社を無料で徹底比較【リショップナビ】

ただの施工工事ではなく、命を支える「綱」のような存在が介護リフォームですから、きっちりと選んで納得のいくバリアフリーリフォームにできればなと考えていますよ。

祖母の介護に関する話はまだいくつかあるので、また機会があれば紹介していくつもりです。

私の両親も高齢になってきているので、近い将来のためにも自分への参考資料として、今後も介護関係の記事を増やしていけたらなと思っています。

【前回記事】

⇒祖母との生活で感じたバリアフリー設備・介護リフォームの大切さと体験談【トイレ編】

【参考書籍】

⇒バリアフリー住宅読本[改訂新版]: 必携 実例でわかる福祉住環境

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